診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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午前 8:30-12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - |
午後 3:00-5:00 | ● | - | - | ● | - | - | - |
夜間 5:00-7:00 | - | ● | - | - | ● | - | - |
※休診日:水曜・日曜・祝日(往診随時・手術随時)
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副睾丸炎は、男性の生殖器官の一部である副睾丸に炎症が起こる病気です。副睾丸は、精巣の上部に位置する細長い器官で、精子を貯蔵し、成熟させる重要な役割を担っています。精巣で作られた精子は、副睾丸を通って精管へと運ばれ、射精の際に体外に排出されます。副睾丸炎では、この副睾丸に炎症が生じ、腫れや痛みを引き起こします。
副睾丸炎は、発症の仕方によって急性と慢性に分類されます。急性副睾丸炎は、突然の発症で、強い痛みを伴うのが特徴です。一方、慢性副睾丸炎は、症状が緩やかに現れ、長期間持続することがあります。急性副睾丸炎は、適切な治療により比較的速やかに改善しますが、慢性副睾丸炎は治療に時間がかかることが多いです。
副睾丸炎は、片側性に起こることが多いですが、両側性に発症することもあります。片側性の場合は、左右どちらかの副睾丸に炎症が生じます。両側性の場合は、左右両方の副睾丸が同時に、あるいは時期をずらして炎症を起こします。
副睾丸炎は、思春期以降の男性に発症しますが、特に20〜30代の性活動が活発な年齢層に多くみられます。また、前立腺炎や尿路感染症、性感染症などを合併することがあります。
副睾丸炎の原因は、大きく分けて細菌感染によるものと非細菌性のものがあります。
細菌感染による副睾丸炎は、尿路感染症や性感染症が原因となることが多いです。特に、淋菌やクラミジアなどの性感染症は、副睾丸炎の主要な原因です。これらの細菌は、性行為により尿道に感染し、精管を通って副睾丸に到達します。尿路感染症の場合は、膀胱や前立腺の感染が上行性に副睾丸に波及することがあります。
非細菌性の副睾丸炎は、細菌以外の要因によって引き起こされます。物理的な刺激、ウイルス感染、自己免疫疾患などがその原因となります。
物理的な刺激としては、長時間の座位や自転車の乗車などによる局所の圧迫が挙げられます。これらは、副睾丸の血流を阻害し、炎症を引き起こすことがあります。
ウイルス感染では、ムンプスウイルスが代表的です。ムンプスは、小児期に流行する感染症ですが、思春期以降に感染すると、副睾丸炎を併発することがあります。
自己免疫疾患では、ベーチェット病や反応性関節炎などが副睾丸炎の原因となることがあります。これらの疾患では、免疫システムの異常により、自己の組織を攻撃してしまいます。
また、医療行為に伴う副睾丸炎もあります。経尿道的な手術や、前立腺生検などの侵襲的な処置により、細菌が副睾丸に持ち込まれることがあります。
副睾丸炎の原因は多岐にわたりますが、細菌感染が最も多く、全体の約半数を占めます。非細菌性の副睾丸炎は、原因の特定が難しいことがあり、特発性副睾丸炎と呼ばれることもあります。
副睾丸炎の主な症状は、患部の痛みと腫れです。これらの症状は、急性副睾丸炎と慢性副睾丸炎で異なります。
急性副睾丸炎では、片側の陰嚢に強い痛みを感じます。痛みは突然現れ、歩行や座位で悪化することがあります。副睾丸を触ると、腫れと圧痛を認めます。陰嚢の皮膚は発赤し、熱を持つことがあります。
急性副睾丸炎では、全身症状を伴うことがあります。発熱、悪寒、倦怠感などがみられ、尿路感染症や性感染症を合併している場合は、排尿時の痛みや尿道分泌物がみられることもあります。
慢性副睾丸炎では、痛みや不快感が長期間持続します。症状は急性副睾丸炎ほど強くありませんが、鈍い痛みや重苦しさが続き、日常生活に支障をきたすことがあります。
慢性副睾丸炎では、患側の副睾丸が硬く腫大していることがあります。また、精液の量や質の変化、性交痛、血精液症(精液に血が混じる)などの症状がみられることもあります。
副睾丸炎の症状は、個人差が大きく、軽症から重症まで様々です。片側性の場合は、反対側の陰嚢に異常を認めないことが多いですが、両側性の場合は、両側の陰嚢に症状がみられます。
副睾丸炎の症状は、精巣捻転や精巣腫瘍など、他の陰嚢内の疾患と似ていることがあります。特に、精巣捻転は緊急性が高いため、副睾丸炎との鑑別が重要です。副睾丸炎では、精巣自体は痛みを伴わないことが多いですが、精巣捻転では精巣に強い痛みを認めます。
副睾丸炎の診断は、問診と身体検査が中心となります。医師は、患者の症状や発症の経緯、性交渉の有無などを詳しく聴取します。
身体検査では、陰嚢を視診し、副睾丸の腫れや発赤の有無を確認します。副睾丸を触診し、圧痛や硬結の有無を調べます。また、精巣や精索の状態も確認し、精巣捻転や精巣腫瘍との鑑別を行います。
検査では、尿検査と尿培養検査が重要です。尿路感染症の有無を調べるために、尿の沈渣を顕微鏡で観察し、白血球や細菌の有無を確認します。尿培養検査では、尿中の細菌を培養し、原因菌の同定と薬剤感受性を調べます。
性感染症が疑われる場合は、尿道分泌物の塗抹検査や核酸増幅検査を行います。これらの検査により、淋菌やクラミジアなどの性感染症の有無を調べます。
超音波検査は、副睾丸の状態を評価するのに有用です。副睾丸の腫大や血流の増加、精巣との境界の不明瞭化などの所見がみられることがあります。また、精巣腫瘍との鑑別にも用いられます。
血液検査では、白血球数やCRP値の上昇がみられることがありますが、特異的な所見ではありません。ただし、重症例では、これらの炎症マーカーが高値を示すことがあります。
また、自己免疫疾患が疑われる場合は、自己抗体の検査を行うこともあります。ベーチェット病では、HLA-B51の検査が参考になります。
副睾丸炎の診断は、臨床所見と検査所見を総合的に判断して行われます。特に、急性副睾丸炎では、早期の診断と治療開始が重要です。慢性副睾丸炎では、原因の特定に時間がかかることがあり、各種検査を組み合わせて診断を進めていきます。
副睾丸炎の治療は、原因に応じて行われます。細菌感染による副睾丸炎には抗菌薬治療が、非細菌性副睾丸炎には消炎鎮痛薬治療と安静が中心となります。
細菌感染による副睾丸炎では、原因菌に応じた抗菌薬の内服治療が行われます。急性副睾丸炎では、empiric therapyとして広域スペクトラムの抗菌薬が選択されます。セフトリアキソンやフルオロキノロン系抗菌薬などが用いられます。
性感染症が原因の場合は、淋菌やクラミジアに有効な抗菌薬を選択します。セフトリアキソンとアジスロマイシンの併用療法が推奨されています。
尿培養検査で原因菌が同定された場合は、薬剤感受性に基づいて抗菌薬を選択します。一般的に、ニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗菌薬が用いられます。
抗菌薬の内服期間は、通常2〜4週間です。症状が改善しても、再発予防のために十分な期間の内服が必要です。また、性感染症が原因の場合は、パートナーの検査と治療も重要です。
非細菌性副睾丸炎や、細菌性副睾丸炎の対症療法として、消炎鎮痛薬が用いられます。非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は、炎症を抑制し、痛みを和らげる効果があります。ロキソプロフェンやイブプロフェンなどが代表的な薬剤です。
NSAIDsは、副作用として胃腸障害や腎機能障害などがあるため、注意が必要です。胃潰瘍の既往がある場合や、腎機能が低下している場合は、使用を控えるか、慎重に使用します。
ステロイド薬は、自己免疫疾患が原因の副睾丸炎に対して用いられることがあります。炎症を強力に抑制する作用がありますが、感染症が悪化する可能性があるため、細菌感染が否定された場合に限って使用します。
安静は、副睾丸炎の治療に欠かせません。特に急性副睾丸炎では、安静が症状の改善に重要です。歩行や座位で症状が悪化する場合は、できるだけ休養を取ることが大切です。
陰嚢を冷やすことで、炎症や痛みを和らげることができます。冷湿布や氷嚢を用いて、1日数回、10〜15分程度行います。ただし、長時間の冷却は逆効果になるため、注意が必要です。
また、陰嚢を支持するサスペンソリーを着用することで、陰嚢の重みによる痛みを軽減できます。日常生活での活動を制限することも大切です。
副睾丸炎は、早期に適切な治療を行えば、多くの場合は後遺症なく治癒します。しかし、治療が遅れたり、不十分だったりすると、慢性化や不妊症のリスクがあります。
慢性副睾丸炎では、長期の治療が必要になることがあります。抗菌薬治療に加えて、消炎鎮痛薬や理学療法、生活指導などを組み合わせて行います。
また、副睾丸炎を繰り返す場合は、基礎疾患の有無を検索する必要があります。尿路奇形や前立腺炎、性感染症などが背景にあることがあります。
副睾丸炎は、男性特有の病気ですが、誰にでも起こる可能性があります。予防のためには、性感染症に注意し、コンドームを使用することが大切です。また、長時間の座位は避け、こまめに休憩を取るなどの日常の工夫も重要です。
症状が現れたら、恥ずかしがらずに早めに医療機関を受診しましょう。特に、急性副睾丸炎では、早期の治療開始が重要です。適切な治療により、多くの場合は快方に向かいます。
副睾丸炎は、男性の生殖機能に影響を及ぼす可能性があります。副睾丸は精子の成熟に重要な役割を果たしているため、炎症により精子の質が低下することがあります。特に、慢性副睾丸炎では、長期の炎症により不妊症のリスクが高くなります。
そのため、副睾丸炎の治療では、炎症の改善だけでなく、生殖機能の温存も重要な目的となります。治療により炎症が改善しても、精液検査で精子の状態を確認し、必要に応じて不妊治療を行うことが大切です。
また、副睾丸炎は、精神的な影響も大きい病気です。陰部の痛みや不快感、性機能の低下などにより、不安やストレスを感じることがあります。パートナーとの関係にも影響を及ぼすことがあります。
医療機関では、身体的な治療だけでなく、精神的なサポートも行っています。副睾丸炎について正しい知識を持ち、不安を和らげることが大切です。必要に応じて、カウンセリングや精神療法を受けることも検討しましょう。
副睾丸炎は、適切な治療により、多くの場合は治癒します。しかし、再発することもあるため、注意が必要です。再発予防のためには、感染症対策や生活習慣の改善が重要です。
性感染症が原因の場合は、パートナーとともに検査と治療を受けることが大切です。感染を繰り返さないために、コンドームの使用を徹底しましょう。
また、長時間の座位や自転車の乗車は、副睾丸炎の再発リスクを高めます。適度な運動や、こまめな休憩を心がけましょう。
副睾丸炎は、男性の生殖器の病気ですが、女性パートナーの理解と協力も重要です。副睾丸炎について、パートナーと一緒に学び、治療に取り組むことが大切です。
副睾丸炎は、早期発見と適切な治療が重要な病気です。症状が現れたら、早めに医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を受けましょう。また、予防のために、感染症対策や生活習慣の改善に努めることが大切です。
副睾丸炎は、男性の生殖器の病気ですが、女性パートナーを含めた周囲の理解と協力が欠かせません。正しい知識を持ち、お互いに支え合いながら、治療に取り組んでいきましょう。
医療の進歩により、副睾丸炎の治療成績は向上しています。新しい抗菌薬の開発や、診断技術の向上により、より効果的な治療が可能になっています。また、不妊治療の分野でも、精子の質を改善する技術が進歩しています。
副睾丸炎は、男性の生殖器の病気ですが、生殖機能だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。日頃から、バランスのとれた食事や適度な運動を心がけ、免疫力を高めることが大切です。また、ストレスを上手に管理し、心身のバランスを保つことも重要です。
副睾丸炎は、症状が現れにくいこともあるため、定期的な健康診断が大切です。特に、性感染症のリスクがある場合は、早めに検査を受けることをおすすめします。
副睾丸炎は、男性特有の病気ですが、誰にでも起こる可能性があります。正しい知識を持ち、予防と早期発見に努めることが重要です。症状が現れたら、恥ずかしがらずに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。周囲の理解と協力を得ながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。
副睾丸炎は、男性の生殖器の病気ですが、男性だけの問題ではありません。パートナーや家族など、周囲の人々の理解と協力が欠かせません。副睾丸炎について正しい知識を持ち、お互いに支え合える関係を築くことが重要です。
医療機関では、副睾丸炎の診断と治療だけでなく、患者さんやパートナーの不安や悩みにも寄り添っています。副睾丸炎について、分からないことや不安なことがあれば、遠慮なく医師や看護師に相談しましょう。
副睾丸炎は、適切な治療により、多くの場合は治癒します。治療中は、医師の指示に従い、規則正しい生活を心がけることが大切です。また、治療後も再発予防のために、感染症対策や生活習慣の改善を続けることが重要です。
副睾丸炎は、男性の生殖器の病気ですが、男性の健康を考える上で重要な病気の一つです。正しい知識を持ち、予防と早期発見に努めることが大切です。症状が現れたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。周囲の理解と協力を得ながら、前向きに治療に取り組むことが重要です。