診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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午前 8:30-12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - |
午後 3:00-5:00 | ● | - | - | ● | - | - | - |
夜間 5:00-7:00 | - | ● | - | - | ● | - | - |
※休診日:水曜・日曜・祝日(往診随時・手術随時)
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腎機能障害とは、腎臓の機能が低下した状態のことを指します。腎臓は、体内の老廃物や余分な水分を尿として体外に排出し、体内の水分や電解質のバランスを調整する重要な役割を担っています。
また、血圧の調整やエリスロポエチンの産生、ビタミンDの活性化など、多岐にわたる機能を有しています。
しかし、何らかの原因で腎臓の機能が低下すると、これらの機能が正常に働かなくなり、老廃物や余分な水分が体内に蓄積し、様々な症状が現れます。
腎機能障害は、腎糸球体濾過量(GFR)という指標を用いて評価されます。GFRは、腎臓が1分間に濾過する血液の量を表し、年齢や性別によって基準値が異なります。一般的に、GFRが60mL/分/1.73m²未満の状態が3ヶ月以上続く場合、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
CKDは、腎機能障害の重症度に応じてステージ1から5に分類されます。ステージが進行するにつれて、腎機能は低下し、様々な合併症のリスクが高まります。
腎機能障害は、急性と慢性に分類されます。急性腎機能障害は、数日から数週間で突然発症し、適切な治療により回復が期待できる状態です。
一方、慢性腎機能障害は、数ヶ月から数年にわたって徐々に進行し、不可逆的な腎臓の損傷を引き起こします。
慢性腎機能障害は、初期段階では自覚症状に乏しいため、定期的な健康診断や腎機能検査が重要です。
腎機能障害の原因は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
これらの原因は、単独で存在する場合もあれば、複数の要因が重なって腎機能障害を引き起こす場合もあります。原因の特定と適切な管理が、腎機能障害の進行を抑制する上で重要です。
腎機能障害の初期段階では、自覚症状がほとんどない場合が多いです。
これは、腎機能の低下が徐々に進行するため、体がその変化に適応していくためです。しかし、腎機能が低下するにつれて、以下のような症状が現れます。
これらの症状は、腎機能障害に特異的なものではなく、他の疾患でも見られる場合があります。
また、症状の現れ方には個人差があり、腎機能障害が進行しても無症状の場合もあります。
そのため、症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
定期的な健康診断や腎機能検査により、早期の腎機能障害を発見し、適切な管理を行うことが、重症化を防ぐ上で大切です。
腎機能障害の診断には、主に以下の検査が行われます。
腎臓の一部を採取し、顕微鏡で観察することで、腎臓の病変を詳細に評価します。糸球体腎炎や間質性腎炎などの診断に有用です。
腎生検は侵襲的な検査であり、出血などのリスクがあるため、必要性を十分に検討した上で実施されます。
これらの検査結果を総合的に判断し、腎機能障害の原因や重症度を特定します。また、腎機能障害の経過を評価するために、定期的な検査が行われます。検査結果に基づいて、適切な治療方針が決定されます。
腎機能障害の治療は、原因疾患の管理と腎機能の維持を目的として行われます。治療法は、腎機能障害の重症度や患者の全身状態によって異なりますが、主に以下の3つに分類されます。
腎機能障害の原因となる疾患(糖尿病や高血圧など)に対する治療が基本となります。また、腎機能の低下に伴う合併症(貧血や骨ミネラル代謝異常など)に対しても、適切な薬物療法が行われます。
主な薬剤は以下の通りです。
カルシトリオールやアルファカルシドールなど:腎機能障害により活性化が低下したビタミンDを補充し、骨ミネラル代謝異常を改善します。
これらの薬剤は、患者の腎機能や全身状態、合併症の有無などを考慮して選択されます。また、定期的な検査により、薬剤の効果や副作用をモニタリングし、必要に応じて薬剤の調整を行います。
腎機能障害では、タンパク質やカリウム、リンなどの摂取制限が必要となります。これらの栄養素は、腎機能の低下に伴って体内に蓄積しやすくなるため、適切な制限が重要です。
これらの食事療法は、腎臓病専門の管理栄養士と協力し、患者の腎機能や全身状態、嗜好などを考慮して個別に調整されます。
また、定期的な栄養評価と食事指導により、適切な栄養管理を継続することが重要です。
腎機能が著しく低下し、体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなった状態(末期腎不全)では、透析療法が必要となります。透析療法には、主に血液透析と腹膜透析の2種類があります。
透析療法は、腎機能障害患者の生命維持に不可欠な治療法ですが、患者のQOLを大きく損なう可能性もあります。そのため、透析導入の時期や方法については、患者や家族と十分に話し合い、社会的・経済的状況も考慮して慎重に決定する必要があります。また、透析療法を受けながら、残存腎機能の保護と合併症の予防・管理を継続することが重要です。
腎移植は、末期腎不全に対する根本的な治療法であり、透析療法からの離脱と高いQOLの実現が期待できます。ドナーから提供された健康な腎臓を患者に移植することで、腎機能の回復が得られます。移植腎の生着率は向上しており、長期的な予後も改善しています。しかし、ドナー不足や免疫抑制療法に伴う合併症など、克服すべき課題も残されています。
腎機能障害は、早期発見と適切な治療が重要な疾患です。定期的な健康診断や自覚症状に注意し、異常が見られた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。また、腎機能障害と診断された場合は、医師や管理栄養士と協力し、適切な治療と生活管理を継続することが大切です。患者自身が病態を理解し、積極的に療養に取り組むことが、予後の改善につながります。
さらに、腎機能障害の予防も重要な課題です。生活習慣の改善により、腎機能障害の発症リスクを下げることができます。具体的には、以下のような取り組みが推奨されます。
特に、糖尿病や高血圧は腎機能障害の主要なリスク因子であるため、これらの疾患の予防と適切な管理が重要です。定期的な健康診断を受け、早期に異常を発見し、生活習慣の改善や薬物療法を開始することが、腎機能障害の予防につながります。
国や自治体、医療機関、患者団体などが連携し、腎機能障害に関する啓発活動や早期発見のための取り組みを推進することも重要です。世界腎臓デーや腎臓病予防キャンペーンなどを通じて、国民の関心を高め、予防と早期発見の重要性を伝えていく必要があります。
腎機能障害は、患者とその家族の生活に大きな影響を及ぼす疾患です。医療者と患者、家族が一体となり、適切な治療と生活管理を継続することが、より良い予後の実現につながります。社会全体で腎機能障害に対する理解を深め、支援体制を整備していくことが求められています。