腎臓腫瘍 - 富田林の泌尿器科

泌尿器科うえむらクリニックロゴ 泌尿器科うえむらクリニック
診療時間
午前 8:30-12:00
午後 3:00-5:00
夜間 5:00-7:00

※休診日:水曜・日曜・祝日(往診随時・手術随時)

お電話またはご相談

0721-29-5500
診療のご予約
診療時間
午前 8:30-12:00
午後 3:00-5:00
夜間 5:00-7:00

※休診日:水曜・日曜・祝日(往診随時・手術随時)

Home > 腎臓腫瘍

腎臓腫瘍とは

腎臓は体内の老廃物を濾過し、尿の生成を行う重要な臓器です。
この腎臓に腫瘍ができることがあり、それを腎臓腫瘍と呼びます。腎臓腫瘍には良性と悪性があり、早期発見と適切な治療が大切です。
腎臓腫瘍は、腎臓に発生する異常な細胞の塊で、周囲の組織を圧迫したり、浸潤したりすることがあります。腎臓腫瘍の多くは偶発的に発見されますが、症状が現れることもあります。

腎臓腫瘍は、腎臓の機能に影響を与える可能性があります。腎臓は体内の老廃物を濾過し、尿の生成を行う重要な臓器であるため、腎臓腫瘍によって腎機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。したがって、腎臓腫瘍の早期発見と適切な治療が重要です。

腎臓腫瘍の定義

腎臓腫瘍とは、腎臓に発生する異常な細胞の塊のことを指します。腫瘍は良性と悪性に分けられ、良性腫瘍は周囲の組織に浸潤せず、転移もしませんが、悪性腫瘍は周囲の組織に浸潤し、他の臓器に転移する可能性があります。

良性腎臓腫瘍は、一般的に成長が遅く、症状がないことが多いです。良性腫瘍は、腎臓の正常な組織を圧迫することがありますが、周囲の組織に浸潤することはありません。また、良性腫瘍は転移することもありません。

一方、悪性腎臓腫瘍は、成長が速く、周囲の組織に浸潤し、他の臓器に転移する可能性があります。悪性腫瘍は、腎臓の正常な組織を破壊し、腎機能を低下させることがあります。また、悪性腫瘍は、リンパ節や他の臓器に転移することがあります。

腎臓腫瘍の種類

良性腎臓腫瘍

良性腎臓腫瘍には、腎血管筋脂肪腫、腎オンコサイトーマ、腎嚢胞などがあります。これらは一般的に症状がなく、検診などで偶然発見されることが多いです。良性腫瘍は成長が遅く、転移の危険性はありません。

腎血管筋脂肪腫は、血管、平滑筋、脂肪組織からなる良性腫瘍です。腎血管筋脂肪腫は、結節性硬化症という遺伝性疾患に伴って発生することがありますが、多くは孤発性に発生します。腎血管筋脂肪腫は、症状がないことが多いですが、大きくなると出血することがあります。

腎オンコサイトーマは、腎臓の尿細管上皮細胞から発生する良性腫瘍です。腎オンコサイトーマは、症状がないことが多く、検診などで偶然発見されることが多いです。腎オンコサイトーマは、成長が遅く、転移の危険性はありません。

腎嚢胞は、腎臓に液体が貯留してできる袋状の構造物です。腎嚢胞は、加齢とともに発生頻度が増加し、高齢者では非常に一般的な所見です。腎嚢胞は、症状がないことが多く、検診などで偶然発見されることが多いです。単純性腎嚢胞は良性ですが、まれに嚢胞内に腫瘍が発生することがあります。

悪性腎臓腫瘍

悪性腎臓腫瘍の大部分は腎細胞癌です。腎細胞癌は腎臓の細胞から発生し、進行すると周囲の組織に浸潤し、他の臓器に転移する可能性があります。腎細胞癌以外の悪性腫瘍には、腎盂癌、Wilms腫瘍(小児に多い)などがあります。

腎細胞癌は、腎臓の尿細管上皮細胞から発生する悪性腫瘍です。腎細胞癌は、成人の腎臓腫瘍の中で最も一般的なタイプで、全腎臓腫瘍の約90%を占めます。腎細胞癌は、症状がないことが多く、検診などで偶然発見されることが多いですが、進行すると血尿や腰痛などの症状が現れることがあります。

腎盂癌は、腎盂(腎臓から尿管につながる部分)の上皮細胞から発生する悪性腫瘍です。腎盂癌は、腎細胞癌に比べてまれですが、喫煙者や慢性腎盂腎炎の患者では発生リスクが高くなります。腎盂癌は、血尿や腰痛などの症状を引き起こすことがあります。

Wilms腫瘍は、小児に多い腎臓の悪性腫瘍です。Wilms腫瘍は、腎芽細胞という未熟な細胞から発生し、通常は5歳以下の子供に発生します。Wilms腫瘍は、腹部の腫瘤や血尿などの症状を引き起こすことがあります。Wilms腫瘍は、化学療法と手術療法を組み合わせることで、多くの場合、治癒することができます。

腎臓腫瘍の症状

早期の腎臓腫瘍では症状がないことが多いですが、腫瘍が大きくなると以下のような症状が現れることがあります。

  • 血尿(尿に血が混じる) 腎臓腫瘍が腎臓の血管を損傷すると、尿に血が混じることがあります。血尿は、肉眼で見えることもありますが、顕微鏡でしか見えないこともあります。
  • 腰痛や側腹部の痛み 腎臓腫瘍が大きくなると、腰痛や側腹部の痛みを引き起こすことがあります。痛みは、腫瘍が周囲の組織を圧迫したり、神経を刺激したりすることによって引き起こされます。
  • 腹部の腫瘤(しこり) 腎臓腫瘍が大きくなると、腹部に腫瘤(しこり)が触れることがあります。腫瘤は、腫瘍自体であることもありますし、腫瘍によって腎臓が腫れることによって生じることもあります。
  • 体重減少 腎臓腫瘍が進行すると、体重が減少することがあります。体重減少は、腫瘍による代謝の亢進や、食欲不振などによって引き起こされます。
  • 発熱 腎臓腫瘍が進行すると、発熱を引き起こすことがあります。発熱は、腫瘍による炎症反応や、腫瘍からの物質の放出によって引き起こされます。
  • 全身倦怠感 腎臓腫瘍が進行すると、全身倦怠感を引き起こすことがあります。全身倦怠感は、腫瘍による代謝の亢進や、貧血などによって引き起こされます。

ただし、これらの症状は他の疾患でも現れることがあるため、症状だけで腎臓腫瘍と判断することはできません。腎臓腫瘍が疑われる場合は、画像検査や生検などの精密検査が必要です。

腎臓腫瘍の原因

腎臓腫瘍の正確な原因はわかっていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

  • 喫煙 喫煙は腎臓腫瘍の最も重要なリスク因子の一つです。喫煙者は非喫煙者に比べて、腎臓腫瘍になるリスクが約2倍高いことが知られています。
  • 肥満 肥満は腎臓腫瘍のリスク因子の一つです。肥満者は非肥満者に比べて、腎臓腫瘍になるリスクが約1.5倍高いことが知られています。
  • 高血圧 高血圧は腎臓腫瘍のリスク因子の一つです。高血圧の人は正常血圧の人に比べて、腎臓腫瘍になるリスクが約1.5倍高いことが知られています。
  • 慢性腎臓病 慢性腎臓病は腎臓腫瘍のリスク因子の一つです。慢性腎臓病の人は、腎機能が低下しているため、腎臓腫瘍になるリスクが高くなります。
  • 遺伝的要因 腎臓腫瘍の一部は遺伝的要因によって引き起こされます。von Hippel-Lindau病やBirt-Hogg-Dubé症候群などの遺伝性疾患では、腎臓腫瘍のリスクが高くなります。

これらの要因を避けることで、腎臓腫瘍のリスクを下げることができます。特に、喫煙は腎臓腫瘍の最も重要なリスク因子であるため、禁煙は腎臓腫瘍の予防において重要です。また、肥満や高血圧の管理、慢性腎臓病の適切な治療も腎臓腫瘍の予防に役立ちます。

腎臓腫瘍の診断

腎臓腫瘍の診断には以下のような検査が行われます。

  • 尿検査 血尿の有無を調べます。腎臓腫瘍では、腫瘍が腎臓の血管を損傷することによって血尿が生じることがあります。ただし、血尿は他の疾患でも生じるため、血尿だけで腎臓腫瘍と診断することはできません。
  • 血液検査 腎機能や腫瘍マーカーを調べます。腎臓腫瘍では、腎機能の低下や、腫瘍マーカーの上昇が見られることがあります。ただし、これらの所見は他の疾患でも生じるため、血液検査だけで腎臓腫瘍と診断することはできません。
  • 画像検査 超音波検査、CT検査、MRI検査などで腫瘍の位置や大きさ、転移の有無を調べます。超音波検査は、腎臓の形状や腫瘍の有無を調べるのに有用です。CT検査やMRI検査は、腫瘍の詳細な情報を得るのに有用です。また、これらの検査では、腫瘍の周囲の組織への浸潤や、他の臓器への転移の有無も評価できます。
  • 生検 必要に応じて腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べます。生検は、腫瘍の種類を確定するために行われます。ただし、生検では腫瘍の一部しか調べることができないため、腫瘍の全体像を評価することはできません。また、生検では腫瘍細胞が他の部位に播種するリスクもあるため、必要性を十分に検討した上で行われます。

これらの検査結果を総合的に判断して、腎臓腫瘍の診断が行われます。腎臓腫瘍が疑われる場合は、複数の検査を組み合わせて、詳細な評価を行うことが重要です。

腎臓腫瘍の治療

腎臓腫瘍の治療方法は、腫瘍の種類や大きさ、転移の有無などによって異なります。主な治療法には以下のようなものがあります。

手術療法

腎臓腫瘍の主な治療法は手術療法です。腫瘍が小さい場合は腎部分切除術(腎臓の一部を切除する手術)が行われ、腫瘍が大きい場合は腎摘出術(腎臓全体を摘出する手術)が行われます。手術は開腹手術または腹腔鏡手術で行われます。

腎部分切除術は、腫瘍が小さく、腎機能を温存できる場合に行われます。腎部分切除術では、腫瘍とその周囲の正常な組織を切除します。腎部分切除術は、腎機能を温存できるため、術後の生活の質が良好です。

腎摘出術は、腫瘍が大きい場合や、腎機能を温存できない場合に行われます。腎摘出術では、腎臓全体を摘出します。

腎摘出術は、腎機能の低下を引き起こしますが、残りの腎臓で十分な機能を維持できることが多いです。ただし、両側の腎臓に腫瘍がある場合や、元々腎機能が低下している場合は、腎摘出術後に透析が必要になることがあります。

手術療法は、腎臓腫瘍の根治を目指す治療法ですが、転移がある場合は、手術だけでは根治が難しいこともあります。転移がある場合は、手術療法に加えて、薬物療法や放射線療法が行われることがあります。

薬物療法

転移がある場合や手術ができない場合には、薬物療法が行われることがあります。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などが使用されます。これらの薬剤は癌細胞の増殖を抑えたり、免疫システムを活性化させたりすることで、癌の進行を抑えます。

分子標的薬は、癌細胞に特異的に作用する薬剤です。腎細胞癌では、血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とする薬剤や、哺乳類ラパマイシン標的蛋白質(mTOR)を標的とする薬剤などが使用されます。これらの薬剤は、癌細胞の増殖や血管新生を抑制することで、癌の進行を抑えます。

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫システムを活性化することで、癌細胞を攻撃する薬剤です。免疫チェックポイント阻害薬は、PD-1/PD-L1やCTLA-4などの免疫チェックポイント分子を阻害することで、T細胞の活性化を促進し、癌細胞を攻撃します。腎細胞癌では、ニボルマブやイピリムマブなどの免疫チェックポイント阻害薬が使用されます。

薬物療法は、転移がある場合や手術ができない場合に有効な治療法ですが、副作用も少なくありません。分子標的薬では、高血圧や手足症候群などの副作用が生じることがあります。免疫チェックポイント阻害薬では、自己免疫関連の副作用が生じることがあります。これらの副作用は、適切な管理が必要です。

放射線療法

転移がある場合や手術ができない場合には、放射線療法が行われることがあります。放射線を照射することで癌細胞を破壊し、腫瘍の縮小を図ります。

放射線療法は、外部照射と内部照射に分けられます。外部照射は、体の外から放射線を照射する方法です。内部照射は、放射性物質を腫瘍の近くに留置する方法です。

放射線療法は、腫瘍の縮小効果が期待できる治療法ですが、正常組織への影響も避けられません。放射線療法では、皮膚の炎症や、疲労感などの副作用が生じることがあります。また、長期的には、放射線誘発癌のリスクもあります。

腎臓腫瘍の治療は、腫瘍の種類や進行度、患者の全身状態などを考慮して、医師が最適な方法を選択します。また、治療後は定期的な検査を行い、再発や転移の有無を確認することが重要です。

腎臓腫瘍は、早期発見と適切な治療が重要な疾患です。腎臓腫瘍の多くは、早期には症状がないため、定期的な検診が重要です。血尿や腰痛などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。

腎臓腫瘍と診断された場合は、医師と十分に相談した上で、最適な治療法を選択することが重要です。治療法の選択には、腫瘍の種類や進行度、患者の年齢や全身状態、患者の希望などが考慮されます。

また、腎臓腫瘍の治療後は、再発や転移を早期に発見するために、定期的な検査が必要です。検査の頻度や内容は、腫瘍の種類や進行度、治療法などによって異なります。

腎臓腫瘍は、適切な治療によって、多くの場合、良好な予後が期待できます。しかし、進行した腎臓腫瘍では、治療が困難なこともあります。そのため、早期発見と適切な治療が重要です。

また、腎臓腫瘍の予防のためには、リスク因子を避けることが重要です。禁煙や肥満の管理、高血圧の管理などが、腎臓腫瘍の予防に役立ちます。

腎臓腫瘍は、早期発見と適切な治療が重要な疾患です。定期的な検診と、症状があれば速やかな受診が大切です。また、腎臓腫瘍と診断された場合は、医師と十分に相談した上で、最適な治療法を選択することが重要です。腎臓腫瘍は、適切な管理によって、良好な予後が期待できる疾患です。