過活動膀胱とは - 富田林の泌尿器科

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過活動膀胱とは

 

高齢化社会にとともに年々多くなっている頻尿や尿失禁の原因となる過活動膀胱(Overactive bladder;OAB)について説明します。

過活動膀胱は、尿意切迫感を主症状として頻尿、夜間頻尿あるいは切迫性尿失禁を伴う自覚症状を特徴とする症候群のことです。

尿意切迫感は過活動膀胱において最も重要で基本となる症状のことで尿が貯まっているときに膀胱が不随意に収縮し突然に尿意をきたすものです。

過活動膀胱の定義

過活動膀胱は、尿意の頻度が増加し、尿意が急に感じられ、夜間に何度もトイレに起きることを特徴とする症状群を指します。
この状態は、尿の排出をコントロールする能力の喪失を伴い、日常生活において多くの不便やストレスをもたらす可能性があります。

過活動膀胱は、社会生活や職場での生産性、精神的な健康にも影響を与え、生活の質を著しく低下させる可能性があります。
特に、社交的な場面や外出時にトイレの場所を常に気にするなど、心理的な負担も大きくなります。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱(OAB)は症状に基づいて診断するものであるため、膀胱炎等の感染症や膀胱癌や膀胱結石等を除外した広い範囲の病気が原因となります。
過活動膀胱の原因は神経の障害が原因となるものとそれ以外が原因となるものがあります。

神経因性
  1. 中枢神経の障害
    脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、パーキンソン病、多系統萎縮症、認知症(痴呆症)、脳腫瘍、脳炎、脳外傷、髄膜炎
  2. 脊髄の障害
    脊髄損傷、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、脊髄腫瘍、頚椎症、脊椎管狭窄症、脊髄血管障害、 脊髄炎、二分脊髄
非神経因性
  1. 下部尿路閉塞
    前立腺肥大症、尿道狭窄
  2. 加齢
  3. 骨盤底の脆弱化
  4. 突発性

過活動膀胱の原因の例

過活動膀胱の原因としては、膀胱感染、神経系の損傷(例えば、脳卒中やパーキンソン病)、膀胱の炎症、または膀胱の筋肉の過度な活動などが挙げられます。
また、加齢に伴う膀胱の機能の変化も、過活動膀胱の一因となることがあります。特定の薬物や飲料、ストレス、遺伝的な要因も考慮されることがあります。

過活動膀胱の症状

過活動膀胱の症状

過活動膀胱は、特定の症状群を持っていますが、それぞれの患者さんで症状の重さや頻度が異なります。

頻尿は昼間頻尿および夜間頻尿に分けられる。日本泌尿器科学会の基準では起床から就寝までの間の8回以上の排尿を昼間排尿、就寝から朝までの間の3回以上の排尿を夜間頻尿としています。

日本排尿機能学会の統計によると40歳以上の日本人の12.4%に過活動膀胱がありその約半分の6.4%に尿失禁があったと報告されています。

この統計から計算すると40歳以上の日本人における過活動膀胱の患者数は約810万人でそのうち週一回以上の切迫性尿失禁のある人は実に420万人にもなりますがこの病気が頻尿、尿失禁を主症状とするためか病院で治療を受けておられる方はその一部にすぎません。

過活動膀胱は命にかかわるような病気ではありませんが、尿意切迫感、尿失禁や頻尿は日常生活に支障をきたすことだけでなく、気分が落ち込んだり情けなくなったり外出したくなくなったりと精神面への影響が大きい病気です。

過活動膀胱の多くの患者さんは以下に述べるような治療で改善しますので泌尿器科を受診されることをお勧めします。

過活動膀胱の症状の例

過活動膀胱の主な症状には、頻尿(日中に8回以上の排尿)、急性尿意、尿失禁、および夜間頻尿が含まれます。
これらの症状は、個人の生活スタイルや健康状態によって異なる強度で現れ、日常生活において様々な困難を引き起こす可能性があります。
特に、急な尿意や尿失禁は、外出先や公共の場での活動を制限し、自信を喪失させる可能性があります。

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療は、症状の重さや原因によって異なり、ライフスタイルの変更、薬物療法、物理療法、手術など、多岐にわたります。

1.行動療法

生活指導、膀胱訓練、理学療法、排泄介助があり、理学療法には骨盤底筋訓練、バイオフィードバック療法があります。

2.薬物療法

治療の中心になるもので、抗コリン剤やΒ3作動薬が一般的に用いられています。既存の薬剤に加えて高齢化社会に向けてたくさんの薬が開発中です。

3.ニュウロモデュレーション



膀胱、尿道機能を支配する神経を刺激して神経機能変調により膀胱、尿道機能の調整を図る治療法です。当クリニックでは電気刺激法のひとつの干渉低周波療法を行っております。干渉低周波療法は唯一保険適応の電気刺激法です。

過活動膀胱の治療の例

《ライフスタイルの変更》

飲み物の種類や量の調整、トイレトレーニングなど。

《薬物療法》

抗コリン薬やミラベグロンなど、膀胱の筋肉をリラックスさせる薬があります。
これらの薬は、尿意の頻度を減少させ、膀胱がもっと多くの尿を保持できるようにします。
ただし、一部の患者さんには副作用が現れる可能性があり、医師との詳細な相談が必要です。

《物理療法》

ペルビックフロア筋を強化するエクササイズや、尿を意図的に保持するトレーニングが含まれます。
専門の理学療法士と協力して、個別のニーズに合ったエクササイズプランを作成することが重要です。

《手術》

神経刺激療法や膀胱拡張手術など、症状が重度で他の治療法が効果を示さない場合に選択されることがあります。

過活動膀胱の治療は、患者の症状、健康状態、および生活の質に対する影響を考慮して、医療専門家と協力して選択されるべきです。
適切な診断と治療プランの選択は、患者の日常生活におけるコンフォートと機能性を大きく改善する可能性があります。

過活動膀胱は、多くの人々にとって、日常生活を大きく制約する可能性があります。しかし、適切な知識とサポートを持ってアプローチすることで、その影響を最小限に抑え、活動的で充実した生活を送ることが可能です。
患者自身が症状や治療について十分に理解し、医療専門家とオープンなコミュニケーションを持つことが、効果的なケアと自己管理を実現する鍵となります。

過活動膀胱の治療と管理は、患者と医療プロバイダーの間の協力に大きく依存しています。
患者は、自分の体と症状を最もよく知っているため、治療の選択とプロセスにおいてアクティブな役割を果たすことが重要です。
一方で、医療プロバイダーは、患者が遭遇する可能性のある課題や障壁を理解し、それに対して適切なサポートとガイダンスを提供する役割を果たします。

過活動膀胱に対する理解と認識を高めることで、患者、ケアギバー、医療プロバイダーが共に効果的なケアとサポートを提供し、患者がより健康で充実した生活を送る手助けをすることができます。